活性酸素が過剰に発生すると肌の老化を招きます

過剰に発生した活性酸素は、健康を害することとなりますが、その前に肌のトラブルを招くことに。

活性酸素とは何?

 運動機能や内臓の機能の低下、物忘れ、眼の白内障、皮膚のしわなどといった老化現象には活性酸素がかかわっていることが分かってきています。皮をむいたリンゴがだんだんと茶色く変色していくのは、空気中の酸素によって酸化されるから。でも活性酸素はその数十倍もの酸化力を持っているんです。
 わたしたちの体内でも同様のことが起きています。私たちは酸素を吸って生きています。食物からエネルギーを得るには、酸素による燃焼(酸化)が必要だからです。呼吸により体内に取り入こまれた酸素は、血液に乗って体の中の細胞へと酸素と栄養分を運びます。それを受け取った細胞内では酸素で栄養分を燃やして(酸化させて)エネルギーを得ているというワケ。 また、酸素は、からだに進入した病原菌を殺傷するはたらきもします。そのために、白血球のはたらきによって強力な殺菌力を与えられた酸素、それが活性酸素です。

活性酸素と健康、肌との関係

 活性酸素は時として過剰に発生し、より強い反応性を持つフリーラジカルとなって、正常な細胞膜を次々と連鎖的に酸化して傷つけてしまいます。私たちのからだには、活性酸素の攻撃から細胞を守る抗酸化物質もありますが、繰り返し活性酸素の攻撃を受けると、抗酸化物質の量も少なくなり、細胞がどんどん酸化していきます。
 フリーラジカルがコレステロールを酸化すれば動脈硬化を招き血管系の病気を引き起こし、細胞内のDNAの制ガン遺伝子が破壊されれば発ガンにもつながります。でもその前に始まるのが、肌の老化。酸化が表皮細胞に起こればシミやくすみを作り、真皮ではコラーゲンなどの繊維や繊維芽細胞にダメージを与えて、しわやたるみをつくります。
 私たちのからだには、活性酸素の攻撃から細胞を守るために、抗酸化酸素を合成するなどの防御システムが備わっています。ただ、加齢とともにそのシステムの機能も低下してきます。そこで、私たちができることは、活性酸素を増やさないような生活を心がけること、食事から抗酸化物質を積極的に摂ることです。
 肌の表皮に活性酸素を発生させる最大の原因は、紫外線。それ以外にも活性酸素を発生させる原因としてはストレス、タバコの煙、大気中の汚染物質、ストレス、アルコール、電磁波(携帯電話、電子レンジなど)、過度のスポーツ、医薬品,食品添加物,制がん剤などの化学物質、レントゲンの放射線などがあります。
 これらが、健康を害する前に現れるのが肌の老化。肌をバロメータにして、若い肌を保つように心がければ、活性酸素によって引き起こされるさまざまな生活習慣病も予防できると捉えられるかもしれません。