食物繊維のはたらき

便秘解消に役立ち、便秘が原因となるニキビや吹き出物の予防に効果を発揮

食物繊維のはたらき

 食物繊維はからだの構成成分やエネルギー源とはならないために、以前は『役に立たないもの』と軽視されていました。しかし、現在では『人の消化酵素で消化されない食事中の難消化成分の総称』と定義され、有害な物質を体外に排出したり、栄養素の吸収を緩やかにしたりするなどの作用が認められ、機能性成分として重要視されています。食物繊維が不足すると便秘を引き起こしやすくなり、便秘は吹き出物やニキビといった肌のトラブルを招く要因となります。穀類や野菜、海藻などを多く摂取していた従来の日本人の食生活では、食物繊維の不足は考えられませんでしたが、食生活が欧米化し、精製原料を使用した加工食品が増加した現代社会においては、穀類や豆、いもなどの摂取量が減り、これが原因で生活習慣病患者も増えてきました。食物繊維はコレステロールの吸収を抑制するはたらきがあるため、動脈硬化を予防し、結果として心疾患の予防へとつながります。あまり多量に取ると下痢を引き起こしやすくなり、水分とともに体内のミネラルも排出されてしまいますが、1日あたり20〜25gの目標摂取量に対して現代人は16g程度しか摂取できていないと推定されていることから、毎日の食事にしっかりと食物繊維を取り入れることを心がけましょう。